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							「不銹鋼(ふしゅうこう)」という金属をご存知でしょうか?
							日本ではかつて、鉄に一定量以上のクロムを含ませることで高い耐蝕性を持たせた合金を指してこのように呼んでいました。
							20世紀初頭のフランスやドイツで発明されたこの合金は世界中に広がり、その耐蝕性を活かして「錆びない金属」として様々なものに形を変え、人々の生活を支えてきました。
							錆に強いこの金属は今では「ステンレス」と呼ばれ私たち人類にとって身近な金属となっています。
							
							今回はこの人類の営みを支える金属「ステンレス」にスポットを当てましょう。
						
								その刃、
錆びていませんか?
							
						
								さて、親愛なるカッターナイフユーザーの皆様はカッターナイフのブレードが錆びてしまったご経験はありませんか?
								
								一般的なカッターブレードは鉄を主体とした合金工具鋼から作られています。
								合金工具鋼は加工のしやすさや耐久性の高さなど、カッターブレードの材料としてバランスの取れた鋼材ですが、錆びやすいという側面もあります。
								カッターブレードにはあらかじめ防錆油を塗布していますが、水濡れや経年劣化で錆びてしまいます。
								
								錆びたカッターブレードは切れ味が落ちているだけでなくワーク汚損の原因にもなりますので、快適なカッティングを維持するためにはカッターブレードの錆に注意を払わなければなりません。
								
								カッターナイフは様々な場所で愛用されていますが、中には当然カッターナイフにとって良いとは言えない環境もあります。
								何気ない作業でカッターブレードが錆びつくことは珍しいことではないのです。
							
										カッターブレードの錆は快適な
カッティングの妨げになります。
この錆にお悩みの方には
「ステンレスブレード」をお勧めします。
									

								一般的にステンレス鋼は合金工具鋼に比べて硬度が低く、
								この硬度の違いはカッターブレードの切れ味、靭性、耐久性すべてに影響します。
								しかし、私たちNTカッターはステンレス鋼を合金工具鋼のカッターブレードと遜色がないよう鋼材を厳選し、焼入れと研磨を独自に研究して錆に強いカッターブレードに仕上げました。
								このステンレスブレードは現在、小型カッター替刃「BA5SS」、大型カッター替刃「BL5SS」としてラインナップされています。
								その用途は様々で、国内では建築現場をはじめ、漁業や農業といった主に屋外で活躍しているカッターブレードです。
								屋外での作業では雨や汗など、カッターブレードが濡れる場面が多々あり、また、湿気もカッターブレードの大敵となります。
								ステンレスブレードは「従来のカッターブレードでは錆びてしまう」環境で働く多くのプロに愛用されています。
							
							海を渡った「不銹鋼」。
									
								
								海外では日本とは異なる現場で
ステンレスブレードが愛用されています。
							
							
								それは「カーカスタム」業界。
								特にカーカスタムの本場アメリカでは2010年代から「カーラッピング」が注目を集めています。「カーラッピング」とは車体カラーやデザインの変更、カーウィンドーのプロテクションなどを目的として専用のフィルムを貼り付けるカスタムです。
								技術向上により、貼り付けた時に気泡が残りづらい粘着層の構造と、貼り直しが可能なフィルムが開発されました。
								これによりクルマの資産価値を落とさず色やデザインを手軽に変更できるようになったことで、注目を集めるようになりました。
								今では、「インストーラー」と呼ばれるフィルム施工を行う職人たちの技術の高さをアピールする競技なども生まれ、多くのファンを獲得しています。
								NTカッターのステンレスブレードはインストーラーの必需品となっており、その独自のニーズにより支持されています。
							
						
								クルマを保護するために
刃を突き立てる。
							
							Point word
						
								相反する二つの行為を調和
させる
ステンレスブレード。
							
							
								技術の進歩により車内環境は快適なドライビングを可能にする空間となりました。この空間にワンランク上の快適さと安心を追加するカスタムが「ウィンドープロテクション」です。
								専用の「ウィンドーフィルム」を貼り付けることで遮熱、UVカット、飛散防止など、様々な効果を付加することができ、その手軽さと実用性の高さが人気の理由です。
								アメリカのカーカスタムシーンではこのウィンドーフィルム施工にステンレスブレードが用いられています。
								インストーラーたちには独自のニーズがあり、ステンレスブレードでなければならない理由があります。
								
								その理由を述べるには「カッターブレードの硬度」について触れなければなりません。
								物質の硬さを表す尺度に「ビッカース硬さ」があります。
								これは数字と硬さ記号「HV」 で表され、硬い物質ほど数字が大きくなります。
								合金工具鋼で作られた通常のカッターブレードのビッカース硬さは770~850 HV程度で、この硬度はガラスと同程度です。
								ガラスにカッターブレードを突き立てるとガラス表面に傷が付きます。
								一方、NTカッターのステンレスブレードのビッカース硬さは700~750 HV程度。
								ステンレスブレードは通常のカッターブレードやガラスよりも硬度が低いため、ガラス表面に傷を付けにくいのです。
							
							
								ウィンドーフィルム施工ではフィルムの余分を切り落とす際にカッターナイフが用いられます。
								ウィンドーガラスの末端まで綺麗に仕上げるためにはガラス表面にカッターブレードを突き立てなければなりません。
								このとき、合金工具鋼のカッターブレードではガラス表面に傷を付けてしまいます。
								ウィンドーガラスは走行中、風圧を受け、常に振動しています。
								傷がある場所は脆くなっており、微細な振動によってガラス表面の放置された傷は大きく広がる可能性があります。
								万が一その場所に飛び石が当たると割れることもあります。
								ウィンドーガラスに傷を付けることはクルマの安全性の低下につながりかねません。
							
							
									ガラスに傷を付けにくく
錆に強いカッターブレード
								
								
									また、ウィンドーフィルム施工では界面活性剤を主成分とした専用施工液を使用します。
									界面活性剤には脱脂効果があり、合金工具鋼のカッターブレードでは錆びてしまいます。
									通常のカッターブレードはウィンドーフィルム施工と相性がいいとは言えないのです。
									
									ウィンドーフィルム施工とカッターナイフの相性を考えた際、「ガラスに傷を付けにくく錆に強いカッターブレード」という条件は満たされなければならないのです。
									カーカスタムの現場では、ステンレスブレードの耐蝕性と硬度が作業のクオリティーを上げる大きなアドバンテージとなります。
これこそが、カーウィンドーのフィルム施工にステンレスブレードが選ばれ、多くのフィルムインストーラーに愛用されている理由なのです。
								
									ステンレス
ブレード1号機。
								
								
									2020年1月、
									私たちは彼らのために
									1つのカッターナイフを
									リリースしました。
								
							ウィンドーフィルムカッター「STL-ONE」。
							アウターボディを廃したスリムなホルダー。
							使用されているのは耐蝕性・耐久性に優れた高級ステンレス「18-8」。
							利き手を選ばないシンプルデザインのこのホルダーは、NTカッターPROシリーズ「A-1P」「AD-2P」と同じものを採用しています。
							一見、これらのカラーバリエーションと思われる「STL-ONE」ですが、PROシリーズとは一線を画す2つの特長があります。
						
										限界を
感じさせない。
									
									
									
										1つはカッターナイフの要、ブレード。
										「STL-ONE」には高い耐蝕性を備えた「BA5SS」ステンレスブレードを採用しています。
カーラッピング、特にウィンドーフィルム施工では錆に強くガラスよりも低い硬度を持つステンレスブレードが役立ちます。
従来のカッターナイフでは躊躇されていた作業も、「STL-ONE」であれば気にせずカッティングすることができます。
									

永く、強く。
									
										そしてもう1つは作業現場でも目につきやすいライトイエローの樹脂パーツ。
										このパーツは耐薬品性樹脂であり、有機溶剤や機械油に対する耐久性を持っています。
										カーカスタムの現場ではマシンオイル、塗料やシンナーなどの有機溶剤やそれを含む薬品を使用する場面が多くあります。
										従来の樹脂パーツではそれらに対する耐久性が低く、有機溶剤や機械油はカッターナイフの正常な動作を妨げる原因となっていました。
										これを克服するため「STL-ONE」には耐薬品性樹脂を採用し、主要パーツの耐久性を向上させました。
										これにより、樹脂パーツに塗料や機械油が付着しても変形・破損しづらくなるだけでなく、付着した異物を有機溶剤で洗浄することもできます。
										
										「STL-ONE」はPROシリーズのアドバンテージを踏襲しながら、有機溶剤やマシンオイルの使用が珍しくないカーカスタムの現場に適したカッターナイフとしてリリースされ、海外を中心に多くのユーザーを獲得しました。
									
								
								
								「カッターナイフの可能性」は
その手の中に。
								
							
						
							
								カッターナイフがよく切れるのは
当たり前となりました。
多様化したニーズに応えるためには
「切れ味」だけでなく、さらに付加価値が必要です。
ユーザーの多様性がカッターナイフの多様性であり、
カッターナイフの可能性を広げるのです。
								これまでNTカッターのラインナップに
ステンレスブレードを
標準搭載している
カッターナイフはありませんでした。
								「STL-ONE」もそのような多様性から生まれた
カッターナイフなのです。
							
							
							
								カッターナイフは自由なツールです。
								私たちは「カッターナイフの用途はそのユーザーが
決めるべきだ」と考えています。
								「STL-ONE」には
“ウィンドーフィルムカッター”という呼称がありますが、
ウィンドーフィルム施工にしか
使えないわけではありません。
								
									耐蝕性に優れた18-8ステンレス製ホルダー。
									有機溶剤に負けない耐薬品性樹脂パーツ。
									錆に強いステンレスブレード。
								
							
							
							
								「STL-ONE」はどのような
作業に向いているでしょうか?
「STL-ONE」はその特長を活かし、
これまでのカッターナイフとは
異なる活躍をしてくれることでしょう。
							
						




